抄録
通信総合研究所では、次世代ハイビジョンの映像フォーマットとして、現行のハイビジョンの縦横それぞれ2倍の画素に相当するQHD(Quadruple HD : 横3840^*縦2048画素)フォーマットを提案している。これまでに、日本ビクター株式会社と共同で同フォーマットに対応する撮影システムや表示システムの試作を行った他、QHD映像の主観評価実験を実施してその効果を検証してきた。さらに、QHD映像の家庭向けアプリケーションとして、JPEG2000のタイル構造を用いて、効率的に高精細かつ視聴者のニーズに適応したコンテンツを提供する適応型コンテンツ配信システムを提案している。これまでに、JPEG2000を用いてQHD映像を高速かつ効果的に符号化処理するための符号化パラメータの検討やQHD静止画像を用いた配信システムの検証を行ってきた。本論文では、適応型コンテンツ配信システムの動作検証を行うために実装したDV(Digital Video)映像を用いた試作システムの概要について述べる。