抄録
移動通信システムにおいてアダプティブアレーアンテナ、特に基地局におけるスマートアンテナがキャパシティ向上のための有力な技術として注目されている。著者らは、空間的な電力合成および干渉波除去に加え、遅延波の適切な合成を行う、時空等化型のアダプティブアレーアンテナ[1][2]に関して、実環境における動作特性の評価や、理論的な動作特性の環境に対する依存性の解析を行い、同方式の有効性と適用範囲を明らかにするため、レイトレースシミュレーションを用いた時空間チャネルの予測を行っている[3][4]。本報告では、低基地局高市街地マイクロセル環境において、シミュレーションによる予測の妥当性について評価するため、伝搬損失に関して実験結果と比較検討を行い、モデル化の妥当性について検討をした。