可視光の屈折・反射・干渉・回折・散乱などによる発色現象を構造色と呼び、通常認識される色素着色とは区別される。この発色現象は可視光波長オーダーの単分散微粒子が規則配列した3次元結晶でも観察されることから、われわれはアクリル微粒子製造技術をベースに単分散微粒子を用いた構造色色材の開発を行っている。微粒子の作製はソープフリー乳化重合で行い、粒径を厳密に100-300nmに調製した。微粒子の配列・積層は乳化重合サスペンジョンを乾燥する際の毛管力および電気泳動によって行った。また、微粒子を黒く着色することで結晶内部の散乱光を吸収させ、より鮮やかな発色を得ることに成功した。