抄録
新潟と淡路島の2カ所の中継所において、海上伝搬を含む放送波中継回線のフェージングによる信号の変動特性を調査した。実験では、地上デジタル放送の親局波を2本のアンテナで受信し、それぞれのアンテナで受信した信号の受信電力と周波数特性を測定した。測定データを元に、信号帯域全体の受信電力の変動量と、SPキャリアの受信電力の変動量、そして遅延プロファイルの変動を求めた。その結果、信号帯域全体の変動量は、全測定期間の時間率0.1%値で20dB以上であった。SPキャリアの変動量は、信号帯域全体の変動量よりも大きく、・日間の時間率0.1%値で約50dBとなる日があった。また、フェージング時においてDU比20dB以下のマルチパスは、測定全期間の時間率0.1%値で遅延時間士3.0μ秒以下にしか存在しなかった。