電子透かし技術はさまざまな画像処理に対して耐性がなければならない.我々は幾何学的改変に対する電子透かしの耐性について検討している.幾何学的改変を受けた画像から透かし情報を抽出する場合,透かし情報の理込位置に関する同期が失われ,透かし情報の検出が困難になるという問題がある.本稿では幾何学的改変を受けた透かし入り画像から透かし情報を抽出する際の透かし情報の理込位置の同期を取る前処理を提案する.本方式では,幾何学的改変による攻撃を受けた画像に対して,アフィン逆変換を施すことによって透かし情報の位置の同期を取っている.アフィン逆変換のパラメータを求めるための対応点として攻撃前の画像と攻撃後の画像の2画像それぞれの4頂点を利用している.