ホログラムの再生波長は物体光と参照光によりできる干渉縞の間隔によって決まる。通常の処理ではホログラム作成時の波長と再生波長は同じになるが、何らかの方法で露光時と現像処理後の干渉縞の間隔を変化させることにより再生波長を変化することができる。従来も現像時のゼラチンのタンニング効果を用いて再生波長を変化させる方法が行われている。この方法では十分な波長変化は得られていない。ここでは露光前にゼラチンを膨潤させることにより再生波長変化を大きく物体の立体像を空間に結像する方式である。そのために他の方式による三次元画像に比べてホログラムの立体像は大変リアルであり、虚像の3次元空間に様々なイメージを表現することができる。本論文の主題はホログラフィにおける技術的な方法として露光前のゼラチンの膨潤処理による再生波長の変化の定量的な関係を求めると共にホログラムの合成による疑似カラーホログラムについてその映像表現手法としての有効性を明らかにする。