抄録
近年,ストレージシステムを含むIT機器の消費電力は増大しており,大きな問題となっている.本研究ではHPC分野向けに高速・大容量ストレージシステムの省電力化を実現するアクセス予知階層ストレージ方式を提案する.高速のオンラインストレージ(OL)と大容量のニアラインストレージ(NL)で階層を構成する.データは通常NLに保存,ジョブ実行に先立ってNLよりOLへデータを移行する.NLのディスクは通常電源を落とし,データ移行時のみ電源投入することで省電力化を行う.またスーパーコンピュータのジョブスケジューリングを基に,アクセスされるボリュームとジョブ実行時刻を予測しデータ移行の管理を行う.