抄録
フレームレートを低下または表示画像の動き速度を極端に速くすると,ジャーキネスと呼ばれるぎくしゃくとした動きが生じる.ジャーキネスの特性については,二次元映像では研究例があるが,立体映像では明らかにされていない.本研究では,自然な立体表示を目指して開発された高密度指向性表示に対するジャーキネスの特性を明らかにすることを目的とする.今回は,静止観察時について主観評価実験を行った。その結果,立体像が手前に行くほどジャーキネスが知覚されやすく,立体像が奥に行くほどジャーキネスが知覚されにくいことが分かった.立体像の動き速度を視角速度で表すと,ジャーキネスの検知限及び許容限は視角速度とフレームレートで決まり,二次元映像の場合と同じ特性を示すことが分かった.