抄録
怒りや幸福などの表情画像を数秒間注視したあと,同じ情動カテゴリを表す表情を続けて知覚すると,その表情に対する認識率が低下するという「表情への順応効果」について,日本人の表情写真を用いて検討した。順応刺激(怒り,恐怖,幸福,悲しみの表情写真)を5秒間提示し,その後テスト刺激を200ms提示して情動カテゴリ判断を求めた。順応刺激とテスト刺激が同一人物の場合(実験1)と異なる人物の場合(実験2)で実験を行い,怒り・幸福表情では順応による影響が示された。また,恐怖・悲しみ表情についても順応の影響を示唆する結果が得られた。