MgAl_2O_4基板(MAO基板)はホイスラー合金との格子ミスマッチが1%以下と非常に小さいため、MgO基板と比較して界面欠陥の少ないコヒーレントな薄膜成長が可能になる。そのため、基板によって起きる薄膜中の欠陥などの影響を排除することが可能であり、ホイスラー合金の磁気特性に及ぼすひずみの影響や、人工格子における界面電子構造などの評価に最適である。また、磁気トンネル接合のバリア層として用いることで界面でのスピン緩和が抑制されると期待される。本研究では、格子整合系MgAl_2O_4/ホイスラー合金積層構造の磁気特性、電子構造、磁気伝導特性と結晶構造の相関を系統的に調べた結果を報告する。