抄録
本稿は、小サイズインター予測ブロックの使用を制約することによってピークメモリ帯域を削減するHEVCエンコード手法について述べる。1フレーム内の小数画素位置インター予測ブロック数が増加すると、動き補償予測処理に伴うメモリ帯域は増加する。このメモリ帯域は映像解像度にも比例して増加する。8K4K、4K2K、HDTVなどの高精細映像の符号化において、このメモリ帯域は特に大きな問題となる。本手法は、8x8未満のインター予測ブロックの使用を禁止することで、インター予測のピークメモリ帯域を約60%削減する。高精細テストシーケンスに対するシミュレーションの結果から、本制約により、符号化ロスを最大1%程度に抑制できること、および、エンコード時間を17%短縮できることを示す。