抄録
フレネルレンズは軽量化,薄型化可能なレンズとして期待されている.フレネルレンズを微弱な熱雑音を検出するミリ波パッシブイメージングに用いるためにはゾーニングによる集光特性の劣化を詳細に評価する必要がある.本論文では,2次元FDTD解析を用いて口径100mmのミリ波帯フレネルレンズの焦点位置,焦点における電界強度分布等の基本特性を定量的に求め,非球面レンズとの性能の比較を行っている.特に,レンズのベース厚に対する基本特性の変化を詳細に検討し,機械的強度とともに高い電界強度を有するフレネルレンズ構造パラメータを求めている.その結果,同一口径の非球面レンズに比べ,集光位置における76.5GHzの電界振幅の低下は0.5dB程度であることが明らかとなった.さらに,設計した構造を試作し,測定を行い解析の妥当性を示している.