映像情報メディア学会技術報告
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ISSN-L : 1342-6893
セッションID: AIT2012-55
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シリーズ映画におけるシーンの会話文字数と尺の共通性に関する研究(ポスター展示(エンターテインメント・アニメーション),映像表現フォーラム)
マニーロック ポンプロム伊藤 彰教三上 浩司近藤 邦雄
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抄録

映画には一作品で完結する単発映画と複数の作品で構成されるシリーズ映画がある。シリーズ映画は単発映画と比べると、興行収入が高い傾向がある。それに加え、商業的見地からすると、成功した作品の続編は他の新しい映画より収入が保証されると考えられている。しかし、前作より高い品質の続編を制作することは困難である。本研究では、シリーズ映画のシナリオ制作の執筆支援システムの高度化のため、基礎調査としてシリーズ映画におけるストーリー構造と各シーンの尺に関する傾向を調査した。調査対象はシリーズ映画の一作目とその続編とし、双方の共通性について調査した。具体的な調査項目としては、シナリオにおける「柱」の記述やキャラクタの登場回数などについて着目し、研究を行った。調査対象は、IMDBの公開データを参考に、世界興行収入の上位30位に入っているシリーズ映画を選定し、キャラクタの登場回数およびそのシーンの継続時間について比較検討を行った。調査の結果、登場人物が2名以上の場合は、その会話数とシーンの継続時間には、0.6から0.8の有意な関連性があることが確認された。これにより、2名以上の会話があるシーンに関しては、会話の文字数をもとに、新たなシリーズのシーン時間の計算予測に役立つことが示唆される。

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© 2012 一般社団法人 映像情報メディア学会
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