抄録
近年,企業の国際競争力の強化に向けて将来の企業成長に関連する革新的技術を生む知的資産の活用が重要になってきている.知的資産を効果的に活用する上での課題は,その適切な理解と評価である.特に金融機関は目利き能力を向上して,知的資産を的確に評価することが求められている.現在,金融機関では知的資産の評価に取り組んでいるが,知的資産が企業の将来の成長にどのように貢献するかを的確に評価することは難しく,その適正評価は金融機関の課題になっている.本稿では,企業の定性評価項目であり,知的資産の中の一つの重要項目として"技術力"を定義し,これを用いた簡便な方法による企業の技術力の定量的評価方法を検討する.