抄録
この報告は外資系企業の中国市場における戦略の選択と調整について,セブンイレブン・ジャパンとファミリーマートのケースを検討する.ファミリーマートは合弁に基づくチーム経営戦略を採用したのに対し,セブンイレブン・ジャパンは単独経営戦略を選択した.セブンイレブン・ジャパンの戦略とその背後にある理想的なビジネスモデルの追求は,拡大のスピードを遅くするという弱点を持っていた.セブンイレブン・ジャパンは拡大を加速するため,北京でビジネスモデルの原型を構築すると,上海では戦略を調整し,統一グループにライセンスした.セブンイレブン・ジャパンの経験から得られた二段階戦略は広く応用が可能だと考えられる.