抄録
2003年12月に地上デジタル放送が開始されコンテンツ制作はSDTVからHDTVにシフトしていったが、ロードレース中継のHDTV化はハードルが高かった。その理由は移動中継車からHDTV素材を伝送するためには、当時のARIB STD-B13による伝送方式では伝送容量が少なかったからである。これを解決する方法として、伝送容量を上げたARIB STD-B33準拠のデジタル方式800MHz帯FPUと、映像を高圧縮するH.264 CODECの登場でロードレース中継のHDTV化が可能になった。さらに多くの技術的な要素を加えて、現在ではシンプルで安定したロードレース中継を確立している。今回は、テレビ朝日のロードレース中継を例に様々な要素技術を報告する。2012年4月に800MHz帯を含む周波数の割り当て計画が変更になり、現在放送事業者が使用している800MHz帯は、1.2GHz帯および2.3GHz帯の周波数に移行することが決まっている。講演では新周波数への移行に向けた取り組みについても紹介する。