抄録
従来より,銀行のATMなどにおいて,個人認証は4桁のPINコードの入力を認証対象者に求め,その数字が正しいか否かを判定することにより行われている.しかし,暗証番号による個人認証は入力時の様子を盗撮されたり,背後から覗き見されたり,タッチ後の痕跡を使用したりと比較的簡単な方法により認証を突破されてしまうという事例が後を絶たないのが現状である.そこで本論文では,距離センサを用い,ユーザの眼前にバーチャルタッチパネル(VTP)を構成し,VTP上で非接触かつ痕跡を残さず空中動作でPINコードの入力を行い,さらにPINとPINを選択した指情報の両方用いて個人を認証することで複数回のショルダーハッキングに頑健な個人認証システム提案し,評価実験を行い提案システムの有用性を検証した.