抄録
E社は1970年代から90年代まで磁気記録用磁性材料で主導的な役割を果たし,好業績を長く維持してきた.しかし,デジタル化の急激な発展により急激に磁気テープ市場が縮小したことで,新規な事業を開発せざるを得ない状況に直面した.E社は90年代にリチウムイオン電池正極材の研究に着手した.2010年には伊藤忠と合弁会社を設立し,米国工場を建設した.しかし,2015年には伊藤忠が合弁を解消した.2016年からはBASFと合弁化の協議を進めている.2009年以降経常損失が発生するなど厳しい経営状況が続いている.