緊急時に対応受信機の自動起動が可能となる緊急警報放送は,地震や津波などに対する防災・減災への取り組みとして,国内ではアナログおよびデジタル放送の双方で提供されている.デジタル放送による緊急警報放送は,途上国における ISDB-T展開においても大きな特長として取り上げられており,災害対応に高い関心を有する諸外国への導入の一助となっている.他方,緊急警報放送はアナログラジオでも提供可能であり, ISDB-Tの非採用国,デジタル化の進展に課題を抱える国においても展開が可能となる技術である.今回,アナログラジオによる緊急警報放送の海外展開に向けた検討として、数カ国のニーズ調査,国内で 1985年から運用されている技術仕様のアップデートに向けた調査を実施したので報告する.