抄録
昨今のスポーツでは,競技解析に有用な情報として被写体,特に球技であればボールの正確な時系列位置情報取得に対する要求がある.実際に一部の中継放送で,ボールの移動データを解析し,スポーツグラフィックスという形で提示がなされている.本報告ではバレーボール中継を想定し,ボール追跡専用のカメラを必要とせずに,放送の本線映像を制作する複数の放送カメラの映像解析と,各カメラのパン・チルト・ズーム量のセンサー情報から,ボールの三次元位置をリアルタイムに算出し,実写映像に対して高精度にCGボールを重畳可能なグラフィックスシステムを構築した.