抄録
新たな検査システムの性能評価をする際や,機械学習を用いた検査を行なう際に大量の不良品データが必要となる.しかしながら,実ライン上において不良品の発生率は非常に低いため,データの収集が困難な場合が多々存在する.この際,従来は不良データをアフィン変換等によって増加させることで対応しているが,背景素地部分が現実的に起こり得ない形に変形してしまう可能性があるという問題が考えられる.
そこで本研究では,テクスチャ合成を用いて背景素地と欠陥像の合成を独立して行なうことで,実ライン上において発生し得る背景素地を持ち,人の目にも違和感のない欠陥像を付与した模擬検査画像を生成する.
実験の結果,生成された画像は人の目にも違和感のない欠陥像が付与できていることを確認した.また,CNNに学習させる画像に提案手法によって生成した画像を用いた場合,従来通りアフィン変換した画像を用いた際と同等以上の性能を持つ識別器を生成できることを確認した.