抄録
衛星放送の受信設備で利用する中間周波数帯(左旋円偏波帯域: 2.2GHz~3.2GHz)の漏洩電力の制限値について,国の技術基準が策定される見込みである.一方,衛星放送の受信設備から放射される漏洩電波は微弱かつ広帯域変調信号であるため,測定器の内部雑音の影響により既存の測定器で精度よく評価することが難しい.今回,衛星放送の受信設備(ブースタや分配器等)で伝送されている中間周波数帯の受信信号を参照とし,受信設備から放射される漏洩電波との相関を利用した測定方法の基礎検討を行った.実験の結果,漏洩基準値よりも10dB低い値において,測定誤差は1.8dB以下であることを確認した.