1986 年 11 巻 1 号 p. 8-14
厚生省特定疾患調査研究班のシェーグレン症候群診断基準をもとに岩手医科大学医学部・歯学部両附属病院を受診したシェーグレン症候群患者の実態を調査した。過去6年間にシェーグレン症候群確実例と診断されたものは17例, 同疑い例と診断されたものは7例であった。確実例17例の全ては女性例であり, その診断時平均年齢は 51.1歳であった。受診時の主症状としては口腔乾燥症状が最も多く, 次いで眼症状, 耳下腺部腫脹等であった。合併症による病型分類では乾燥症候群が41.1%, 慢性関節リウマチ合併群が5.9%, 他の膠原病合併群が 29.4%, 膠原病以外の自己免疫疾患合併群が 23.5%であった。また, これら各病型の中で平均年齢が最も低かったのは慢性関節リウマチ以外の膠原病合併例であった。 以上の結果に加えて, 偽リンパ腫合併例, 膵病変合併例, 小唾液腺腫脹例の興味深い3症例についてそれらの概要を述べた。