われわれは上顎小臼歯部の頬側にみられた過剰歯あるいは臼傍歯と考えられた1 例を報告する.患者は14 歳の男性であった.口腔内所見では上顎右側第二小臼歯の頬側で第一大臼歯の近心に歯冠の一部が萌出した過剰歯がみられた.歯科用コーンビームCT 画像の所見では,過剰歯は2 咬頭を有し,上顎右側第二小臼歯よりもわずかに小さかった.過剰歯の歯根は根尖1/3 が未完成であったが,上顎右側第二小臼歯の歯根は根尖部まで完成していた.抜去歯の所見では,過剰歯は咬合面の外形が卵円形に近い形態で.咬合面溝はH 型に類する形態を呈し,上顎第二小臼歯の解剖学的形態に類似した定型歯であった.マイクロCT 画像では,過剰歯の歯髄腔形態は上顎小臼歯の特徴を有していた.