岩手医科大学歯学雑誌
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症例報告
  • 小泉 浩二, 阿部 亮輔, 小松 祐子, 大橋 祐生, 泉澤 充, 千葉 俊美, 宮本 郁也, 山田 浩之
    原稿種別: 症例報告
    2024 年 49 巻 2 号 p. 41-56
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/01/09
    ジャーナル フリー

    非Clostridium 性ガス壊疽は,Clostridium 属細菌以外の起炎菌による壊死性軟部組織感染症である.今回われわれは重篤な基礎疾患を有しない患者に生じた歯性感染症に起因する非Clostridium 性頸部ガス壊疽に対して3 回の消炎手術を要した症例の治療を経験したので,その概要を報告する.

    患者は55 歳の男性で,既往歴には高血圧症があった.2017 年10 月顎下部に生じた腫脹が悪化したため当院救急外来を受診した.全身所見では体温は38.8 ℃,血圧は135/87 mmHg,心拍数は135 回/min であった.また,呼吸数は30 回/ 分で,呼吸苦を訴えていた.Sequential Organ Failure Assessment スコアは1 点であった.口腔外所見ではオトガイ部から左側頬部にかけて発赤を伴う著明な腫脹を認め,開口量は20 mm であった.口腔内所見では からの排膿と,口底部の著しい腫脹を認めた. CT 所見では右側顎下部にガス像を認め,気道は高度に狭窄していた. 根尖性歯周炎,頸部ガス壊疽と診断し,同日全身麻酔下に気管切開術および頸部のデブリードマンを施行した.抗菌薬はドリペネム3 g とクリンダマイシン2400 mg/ 日の投与を継続した.術中に採取した膿汁からはPrevotella sp,Streptococcus constellatus が検出された,その後,入院6 病日と10 病日に全身麻酔下のデブリードマンを追加したことにより炎症は収束し,44 病日に退院した.

第50 回岩手医科大学歯学会総会抄録
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