岩手医科大学歯学雑誌
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症例
根未完成脱落歯に対するアペキシフィケーションを目的とした歯髄処置の経過報告
成石 浩司澤田 俊輔村井 治武田 泰典川村 貴史若林 香枝桑島 幸紀三浦 廣行國松 和司
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2011 年 36 巻 1 号 p. 53-58

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抄録

水酸化カルシウム製剤は,根未完成歯のアペキシフィケーションに用いる薬剤である.我々は,8歳の男児が転倒時に顔面を殴打し,右側上顎中切歯が完全脱臼した症例を経験した.脱臼歯は早急に整復固定したものの失活歯となり,同時に歯肉腫脹も認めたため,根管治療(アペキシフィケーション)が必要と診断された.根管内の失活歯髄を除去した後,市販の水酸化カルシウム製剤を適応した後,症状は速やかに改善した.今後約2〜3年の経過観察の後,最終根管充填処置を行う必要があると考えられる.

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2011 岩手医科大学歯学会
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