岩手医科大学歯学雑誌
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症例
Tongue-lip adhesionを行ったRobin sequenceの長期経過観察例
飯島 伸角田 耕一松本 直子石橋 修星 秀樹杉山 芳樹
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2013 年 37 巻 3 号 p. 121-126

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抄録

Robin sequenceは, 小顎症が症状の主体とされている. 小顎症が引き金となって, その結果舌根沈下を生じ, 呼吸障害, 栄養摂取障害など一連の症状が惹起されると考えられている. われわれは, 重度の呼吸障害をもった患者に生後15週時に舌固定術 (Tongue-lip adhesion) を施行した. 結果は良好で呼吸障害は改善された. 今回, 本症例の約10年にわたる経過を報告する. 全身的には内分泌異常はないものの, 低身長, 低体重である. 精神発達の遅延は無い. 口腔内所見は下顎の劣成長を認める. そして, 舌固定術の影響かは断定できないが, 下顎前歯部を中心に永久歯の萌出困難や埋伏が認められ,全身麻酔下に抜歯した. 今後も矯正歯科や小児科とチームアプローチを行って治療を進めることが重要と考えられた.

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2013 岩手医科大学歯学会
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