岩手医科大学歯学雑誌
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症例
自家腸骨海綿骨骨髄細片移植により下顎骨の連続性を温存しえた 下顎骨下縁に至る骨形成線維腫の1 例
中畑 健太郎阿部 亮輔齋藤 大嗣樋野 雅文山田 浩之武田 泰典
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2017 年 41 巻 2.3 号 p. 39-45

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抄録

骨形成線維腫は顎骨中心性に発生し, 骨あるいはセメント質に類似した硬組織形成を伴う線維組織の増殖からなる良性腫瘍である. 今回, われわれは19歳の女性の下顎骨下縁まで増大した骨形成線維腫に対して, 腫瘍摘出術および自家腸骨海綿骨骨髄細片移植術による即時再建を行った1 例を経験したので報告する. 本症例は, 当初腫瘍の大きさから区域切除の適応と考えられたが, 腫瘍摘出後に下顎骨の舌側ならびに下縁の皮質骨が保存可能であったため, 顎骨再建用チタンプレート術後の審美障害を回避することができた. 術後4年経過した現在, 腫瘍の再発は認めない.

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2017 岩手医科大学歯学会
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