伊豆沼・内沼および集水域における底質,貝類,魚類,ヨシ,ヨシ焼却灰に含まれる放射性物質の濃度が測定された.底質では,放射性セシウムの合計値は伊豆沼に流入する荒川流域で平均850 Bq/kg,内沼に流入する八沢川流域で390 Bq/kgと荒川流域で高い傾向があった.それに対応して伊豆沼で400 Bq/kg,内沼で336.7 Bq/kgと,伊豆沼の底質で高い傾向が認められた.またそれぞれの沼とも上流部ほど数値が高い傾向があった.カラスガイでは伊豆沼で4.6 Bq/kg,内沼で4.9 Bq/kg であった.魚類では,原発事故前に採集されたギンブナ,ゲンゴロウブナ,オオクチバスからはいずれも放射性セシウムは検出されなかった.一方,事故後では,オオクチバス成魚で110 Bq/kg,オオクチバス幼魚で148 Bq/kg,ギンブナで63.5 Bq/kg,ゲンゴロウブナで72 Bq/kgが検出された.伊豆沼上流の溜池ではオオクチバス成魚で260 Bq/kg,ゲンゴロウブナで98 Bq/kgがそれぞれ検出された.ヨシでは67.5 Bq/kgが検出され,その焼却灰から1,050 Bq/kgが検出された.