伊豆沼・内沼研究報告
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最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 鳥居 憲親, 櫻井 幸枝
    2026 年20 巻 p. 1-
    発行日: 2026/07/01
    公開日: 2026/06/25
    ジャーナル フリー

    新潟県では近年,積雪量が多い内陸部でもガビチョウGarrulax canorusが確認されている.そこで,プレイバック法を用いて信濃川と大河津分水の河川敷において本種の分布調査を行った.調査の結果,本種は大河津分水河口部の河川敷でしか確認されず,内陸の河川敷には未定着である可能性が高いと推定された.しかし,今後本種が河川敷内で分布を拡大させてくる可能性も十分にあると考えられた.

  • 速水 裕樹, 藤本 泰文, 横山 潤
    2026 年20 巻 p. 11-
    発行日: 2026/07/01
    公開日: 2026/06/25
    ジャーナル フリー

    宮城県北部にある伊豆沼・内沼とその流域の溜池において,オオミクリSparganium coreanum H.Lév.を初めて確認した.確認した株は,果実が幅広く上部がほぼ平坦となり,最下位の花序枝は雌花頭のみをつける点で,近似種と区別された.全国的にも宮城県内においても,オオミクリの絶滅が危惧されていることから,本種の確認された湿地の維持管理に努める必要がある.

  • 能政 研介
    2026 年20 巻 p. 19-
    発行日: 2026/07/01
    公開日: 2026/06/25
    ジャーナル フリー

    コヨシキリは夏鳥として日本に飛来するが,西日本における繁殖地は限られている.滋賀県では近年,内湖でのみ局所的な繁殖が知られているが,詳細は不明である.本調査では内湖のひとつである西の湖における繁殖期の生息状況を明らかにすることを目的として,囀り個体数,繁殖状況,営巣環境を調べた.調査の結果,52個体の囀りを確認し,巣内雛3羽を含む巣1例を確認した.巣はヨシ原内のセイタカアワダチソウに架巣されており,ヨシ群落における下層植生の発達がコヨシキリの繁殖に寄与している可能性が考えられた.コヨシキリでは分布の南端から減少が進んでいると考えられているが,西の湖はヨシ原の保護・管理が行われており,生息環境は比較的安定していると考えられた.

  • 嶋田 哲郎, 小西 敢, 李国政 , 史国棟 , 樋口 広芳
    2026 年20 巻 p. 27-
    発行日: 2026/07/01
    公開日: 2026/06/25
    ジャーナル フリー

    1990年代,人工衛星を利用した衛星追跡が可能となり,鳥類の渡りを時系列で追跡できるようになった.技術のさらなる発達により,渡りの様子をほぼリアルタイムで何年にもわたって追跡できるようになり,渡り研究は飛躍的に進展した.そして研究者たちは,渡り鳥がどこを経由してどこまで行くのかについての情報を一般公開し,市民に鳥の渡りについての理解を深めることに貢献した.さらに2023年冬,私たちは渡り経路だけでなく,鳥たちが渡る先々で見る景色を映し出すことにも成功した.この論文では,そこに至るまでの技術の進歩を概観したのち,実際に鳥たちが映し出した画像を紹介し,それらを市民と共有することによって得られた研究や普及啓発上の成果について述べる.この成果は,対象種とその生息環境の保全を進めるうえでも貴重な資料になっている.

  • 城田 匡史, 福家 悠介, 向井 貴彦
    2026 年20 巻 p. 49-
    発行日: 2026/07/01
    公開日: 2026/06/25
    ジャーナル フリー

    東アジアを中心に分布するカワリヌマエビ属Neocaridinaは,すべてが淡水性の陸封種とされており,西日本の本州,四国,九州には,ミナミヌマエビN. denticulata(De Haan 1844)が自然分布するとされている.一方,ミナミヌマエビの近縁種であるシナヌマエビN. davidi(Bouvier 1904)が近年国内へ侵入し,在来の淡水ヌマエビ類と置き換わりつつあることが知られている.本州中部の濃尾平野は,ミナミヌマエビの在来分布域の可能性があると考えられてきたが,この地方におけるカワリヌマエビ属の種をmtDNAと形態形質にもとづいて調査した研究は非常に限られている.そこで,本研究では濃尾平野の河川・用水路41地点でカワリヌマエビ属を採集し,mtDNAの系統解析および形態形質の測定を行った.採集された271個体について,mtDNAのCOI領域の系統解析を行った結果,ミナミヌマエビ2系統(近畿系統と九州系統)とシナヌマエビ2系統(クレードAとB)の4系統が濃尾平野に分布することが示された.九州系統のミナミヌマエビは濃尾平野西部で確認され,10地点49個体すべてが同一のハプロタイプであった.近畿系統のミナミヌマエビは濃尾平野東部7地点と西部1地点から30個体が確認された.シナヌマエビは濃尾平野の広域で確認され(32地点192個体),クレードAは濃尾平野の北部に偏って分布するのに対して,クレードBは濃尾平野全体に広く見られた.また,ミナミヌマエビとシナヌマエビが同所的に確認されたのは9地点であった.形態形質として,額角に欠損が見られなかった雄239個体について,眼窩甲長CL,額角長RL,額角上縁歯数RTを測定した.mtDNA解析の結果を基に,ミナミヌマエビとシナヌマエビに分けてRL/CL比とRTを比較した結果,両形質ともにミナミヌマエビとシナヌマエビの間で有意差が認められ(P<0.01),ミナミヌマエビはシナヌマエビと比較して額角が長く,額角上縁歯数が少ない傾向にあった.同所的生息地のミナミヌマエビとシナヌマエビの間でもRL/CL比に有意差が確認されたことから,両種の交雑は制限されていると考えられた.ただし,どちらの形質も両種の間で値が大きく重複しており,種同定には遺伝的解析が必要と考えられた.

  • 谷口 倫太郎, 熊谷 正裕, 山口 達成, 伊藤 玄
    2026 年20 巻 p. 67-
    発行日: 2026/07/01
    公開日: 2026/06/25
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    東北地方太平洋側はヤリタナゴの自然分布域かどうか曖昧な地域である.本地域に位置する岩手県北上川水系において,2018年から2022年にかけてヤリタナゴが採集されたため,ミトコンドリアDNAを解析し,その由来を推定した.その結果,採集された個体のハプロタイプは,新潟県信濃川水系から得られたハプロタイプと一致した.そのため,少なくとも東北地方太平洋側に固有の在来集団であることを支持する証拠は得られず,日本海側から導入された国内外来種であると考えられる.2023年から2024年にかけての調査では本種は採集されなかったことから,調査地点周辺では定着していないか,低密度に生息しているものと考えられる.

  • 荒井 康充, 川脇 史也, 岩田 泰幸, 内田 大貴
    2026 年20 巻 p. 75-
    発行日: 2026/07/01
    公開日: 2026/06/25
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    本研究では,地下水由来の水温変動の小さい冷涼な流水環境を有する元荒川上流域において,水生昆虫相の把握を目的として調査を実施した.その結果,水生コウチュウ目11種,水生カメムシ目10種の計21種を確認した.確認された種には,流水環境を好む種,止水環境を好む種,および水生植物や藻類が繁茂する環境を利用する種が含まれていた.また,絶滅危惧IB類(環境省レッドリスト2020)のコミズスマシでは,新成虫と考えられる個体が確認され,本調査地周辺において繁殖や幼虫の成育の可能性が示唆された.本調査地では,地下水由来の安定した水温環境に加え,水生植物の繁茂により流速の異なるモザイク状の微環境が形成されており,これらの環境条件が多様な水生昆虫類の生息を支えていることが示唆された.

  • 2026 年20 巻 p. 101-
    発行日: 2026/07/01
    公開日: 2026/06/25
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