抄録
欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の適用は一部のEU 企業に限定され,IFRS サステナビリティ開示基準の適用は各国・地域で決定されるものの2024 年から両者とも適用が開始されている。その意味で,2024 年はサステナビリティ情報制度開示の幕開けの年だった。そして,2025 年は,昨年適用が開始された基準による報告が始まり,サステナビリティ情報制度開示が実質化を迎えている。
2025 年3 月2 日に神戸学院大学で開催された日本会計研究学会第74 回関西部会では,「サステナビリティと会計」が統一論題のテーマとされ,金森絵里氏(立命館大学),梶原武久氏(神戸大学),中尾悠利子氏(関西大学),伏見康子氏(京都経済短期大学)による報告が行われた。本稿は,座長の視点からの各報告の解題とサステナビリティ情報制度開示の実質化の現状の紹介を内容とする。
着々とサステナビリティ情報制度開示の実質化が進展する中,各報告は,サステナビリティ情報開示が単なる開示にとどまることなく,その目的を達成するための会計の貢献の可能性を提示する貴重なものであった。