2016 年 26 巻 p. 15-26
子どもの貧困への支援は緊急課題として注目を浴びている。支援を展開していくためには、物質的 な側面とともに貧困の非物質的な側面に注目し社会関係の再構築を図り、世帯全体の生活保障を目指す必 要がある。また貧困の連鎖を断ち切るために子どもの学習環境を整え発達保障を目指すことが極めて重要 である。それらの実践を担う専門職が切れ目のない連携を取るためには、実践コミュニティを形成し、支 援に必要な知識を生み出し実践に応用していく必要があると考える。 本研究では、子どもの貧困を支える社会福祉専門職として、学校現場でのソーシャルワークを担うスクー ルソーシャルワーカー(SSW)に着目し、地域において総合的な生活支援を展開するコミュニティソーシャ ルワーカー(CSW)との連携において2 者がどのように相互交流し、それぞれの実践現場の文化を学習し 合い実践コミュニティを形成していくのかというプロセスを明らかにすることを目的とする。