日本福祉教育・ボランティア学習学会研究紀要
Online ISSN : 2432-4094
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最新号
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  • 2025 年45 巻 p. 1-2
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
  • 研究の論点・解題・成果
    諏訪 徹
    2025 年45 巻 p. 3-16
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
    本稿では、課題別研究「SDGs運動を組みなおす実践論の探求」の経過、論点、各論文の解題を通して、この課題別研究が、いかに実践論を探求し、どのような実践論を提起したのかを論じる。最初に、第Ⅰ節で課題別研究の趣旨・経過、研究過程で共通認識となったSDGs運動の現状に対する問題意識と福祉教育・ボランティア学習としての臨み方について解説する。第Ⅱ節では課題別研究の成果をまとめている。各論文の概要を説明した後、課題別研究の成果を、動的・構造的な〈ふくし〉well-being観の確立、プラットフォーム論の深化・拡張の2点に集約し、収載論文の内容を横断的に解題する。第Ⅲ節は課題別研究の成果を踏まえた筆者自身の論考である。最後に第Ⅳ節で、本課題別研究の成果として、どのような実践論を提起したのかをまとめる。
  • 地域づくりに関心をもつ人々からなる動的なプラットフォームの創出と活性化へ向けて
    堤 拓也
    2025 年45 巻 p. 17-29
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
    本稿では、SDGs運動を組みなおす実践論を探求するにあたり、過疎高齢化が進む中山間地域におけるワークキャンプを実践事例として取り上げ、考察を行った。あらゆる人のエンパワメントを志向するボトムアップ型のSDGs運動を展開するには、出入りが自由であり、外部とのつながりを創出しうる〈動的なプラットフォーム〉を構築する必要があり、こうしたプラットフォームの周辺部と外部を媒介する「橋渡し機能」を担う実践としてワークキャンプの実践論を捉え直す可能性について論じた。今後の研究課題として、一つは、ワークキャンプが周辺者であることの意義を改めて明らかにしていくこと、もう一つは、ワークキャンプが地域づくりに関心をもつ人々からなる〈動的なプラットフォーム〉の周辺者であると同時に、参加者と地域をつなぐ〈動的なプラットフォーム〉そのものでもあるという二重構造とその相互作用について研究を進めていくことが見出された。
  • 多文化子育てサロンの取り組みから
    尾﨑 優子
    2025 年45 巻 p. 30-43
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
    本稿は、SDGsにおける多様な利害関係者間の連携に内在する差異の課題を論じる。SDGsの目標志向性や時間有限性は、文化・歴史に根ざした問題を周縁化し、差異から生じる対立や衝突を回避する傾向を生む。本稿は、この課題を克服し差異を学びの起点とするため、「共約不可能性」の概念に着目し、多文化子育てサロンでの相談支援事例を分析した。その結果、共約不可能性を認識することが、表面的な相互理解に陥る「共約幻想」からの脱却を促す契機となっていた。さらに、共約不可能性を起点とする学びの空間の要点として、①共通項を伴う差異の顕在化、②困難な事柄の表出を可能にする場の中立性、③共存・共在のための継続性の3点を提示した。これらの要件を満たす実践空間は、SDGsの枠組みでは捉えきれない日常的な交流や暗黙知を育みうる。共約不可能性への着目は、福祉教育・ボランティア学習の実践論の蓄積に寄与するであろうことが示唆された。
  • マルチチュード論の批判的検討を通して
    後藤 聡美
    2025 年45 巻 p. 44-55
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
    多様な主体の参画を促し社会に浸透したSDGsは、その枠組みが政治的妥協に基づいているため既存の権力構造や資本主義的価値観を揺るがすものにはなっておらず、学習やエンパワメントの視点が欠落していることが指摘されてきた。本稿はその限界を補う理論的枠組みとして、マルチチュード論を批判的に検討し、「郵便的マルチチュード」概念を参照する。現場の固定化された関係性を変容させる「誤配」やネットワークの「つなぎかえ」が新たな公共性を生む契機となる点に注目し、福祉教育・ボランティア学習における「ふくし」や「当事者性」概念を導入することで、多層的な学び合いの重要性を整理する。その上で、ESDプラットフォーム創成事業の事例を取り上げ、異なる立場の学習者が当事者性を交差させ活動を創出する様態を考察する。目標体系としてのSDGsが、当事者性に基づく実践の往還とつなぎかえによって「SDGs運動」として組みなおされる可能性を提示する。
  • プロセスとしてのwell-beingからSDGs運動を考える契機として
    山田 一隆
    2025 年45 巻 p. 56-73
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
    本稿は、well-beingを「測定可能な状態」とみなす静態的パラダイムを批判し、学習を媒介とする生成的プロセスとして再構想する必要性を論じる。SDGsやOECDの議論においてwell-beingは重要指標として用いられているが、既存の枠組みは文化的多様性を捨象し、不可測な側面を排除する傾向を強めている。そこで本稿は、メジローの変容的学習理論、ブルデューのハビトゥス論、センとヌスバウムのケイパビリティ・アプローチを統合し、well-beingを「価値再構築」「行為可能性の拡張」「制度条件の再編」という三層の運動として捉えるモデルを提示する。また、A県B市の「ワンステップ」事業を事例に、福祉教育・ボランティア学習の場における相互的な学びと共同エージェンシーの形成を分析し、プロセスとしてのwell-beingの具体化とその限界を明らかにする。最後に、評価制度の再構築や共創文化の醸成といった制度・文化的課題を提示し、convivialityを基軸とした社会実装の可能性を論じる。
  • SDGsとESDと福祉教育・ボランティア学習の共通テーゼをさぐる
    松岡 広路
    2025 年45 巻 p. 74-88
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
    本稿は、SDGs(持続可能な開発目標)、ESD(持続可能な開発のための教育)、福祉教育・ボランティア学習の共通テーゼの鍵となる概念としてスピリチュアリティに注目し、SDGs運動を組みなおす実践論の新たな地平を切り拓くことを目的とするものである。まず、SDGs運動の根源的な課題について考察し、スピリチュアリティとの関係を構築する基礎的枠組みを整理した。西洋近代主義とスピリチュアリティへのリスペクトに欠いた運動論の超克の必要性と期待されるスピリチュアルな学びのかたちを明らかにした。次に、ESDと福祉教育・ボランティア学習の融合的関係態としての「ふくし教育」のテーゼをまとめ、諸テーゼにスピリチュアリティがどのように定位されるべきかを論考した。とりわけ、当事者性学習論と〈いのちの持続性〉仮説をめぐるテーゼとスピリチュアリティの関係の観点から、スピリチュアルな学びを包摂したふくし教育の具体的な技法に関する研究が必要であることを説いた。
  • シティズンシップ教育としてのサービス・ラーニングを位置付けるために
    加野 佑弥
    2025 年45 巻 p. 89-103
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、サービス活動の現場で直面する問題を通じて、より大きな社会の構造的問題(マクロな問題)に目を向けさせるリフレクションの方法を検討することである。このことによって、政治的主体を育成することを主眼に置くシティズンシップ教育においてサービス・ラーニングを位置付ける場合の方法論的示唆を提供できると考えた。 先行研究の整理と事例の比較分析から以下のような示唆を導いた。まず、シティズンシップ教育の方法としてサービス・ラーニングを実施する場合、マクロな視点から構造的な問題に目を向ける事前指導とリフレクションが重要となること。加えて、サービス・ラーニングの現場で経験するミクロな問題と社会の構造的問題とを繋ぐことのでき、現場の事情も熟知しかつ社会の構造的問題にも明るいインストラクターが継続的に関わることが重要だと示唆された。これらのことを明らかにした点が本研究の成果だといえる。
  • 複線径路等至性アプローチ(TEA)による事例分析を通して
    茂野 賢治
    2025 年45 巻 p. 104-114
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
    本稿は、子どもの放課後支援における高齢期支援者(支援者)へのサポートについて、キーパーソン(放課後支援をサポートする地域の人)が「助ける/助けられる」双方の混在域の変換を行うに至る暗黙知を明瞭化するため、キーパーソンの心理的プロセスを明らかにすることを目的とする。個人の持つ経験や感覚に根ざした暗黙知を探るため、ある放課後支援団体の創始者(A氏)に対するインタビューをもとに、複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach: TEA)を用いて分析した。結果、キーパーソンは支援者の支援活動を積極的にサポートし、活動の状態を見聞きし、支援者とのやりとりを密に行うことで、支援者に対するサポート意識が変容することが示された。心理的プロセスとして、キーパーソンのサポート意識は「支援者を助けたい」から「支援者を活躍させたい」、そして「支援者に自尊感情を育みたい」へと変容することが明らかになった。
  • 活動経験5年以上のボランティアを対象としたアンケート調査の自由記述の分析から
    守本 友美
    2025 年45 巻 p. 115-123
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
    少子高齢化や社会的孤立などの社会課題が増加する中、地域の支え合いを促進するためにボランティア活動の重要性が高まっているが、参加者数は減少傾向にある。従来の金銭的報酬やポイント制度などのインセンティブは一定の効果を示しているが、非金銭的な動機や支援のあり方については十分に解明されていない。 本研究では、ボランティアが求めるインセンティブについて明らかにすることを目的として、全国の社会福祉協議会に登録する経験年数5年以上のボランティア1766人に対し、自由記述を収集し、計量テキスト分析を実施した。その結果、ボランティアは「資金や人材確保」だけでなく、「自己成長」や「グループの存続・育成」、「具体的な支援や交流」など、重層的なインセンティブを求めていることが判明した。年代別の特徴は明確でないものの、若年層は「楽しむ」こと、中堅層以降は「グループ」や「育成」への関心が高い傾向が見られた。
  • 妻鹿 ふみ子
    2025 年45 巻 p. 124
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
  • 2025 年45 巻 p. 125
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
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