生命倫理
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家族が捉えた死の迎え方の倫理的意思決定の過程とその要因の探索
相羽 利昭デービス アンJ小西 恵美子
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2002 年 12 巻 1 号 p. 84-91

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抄録
本研究は、終末期患者の死の迎え方の倫理的意思決定過程とそれに影響した要因の探索を目的に、家族の一員を最近亡くした12家族に面接調査を行い、それを質的に分析した。その結果、死の迎え方の意思決定に影響した要因として、(1)患者と家族が得た情報、(2)患者の意思表明、(3)患者の人となり、(4)家族と患者の精神的距離、(5)家族の価値観、および(6)家族の倫理的義務感が現れた。これらの要因によって、死の迎え方の意思決定過程は、【患者自身が決める】、【家族と医師の話し合いで決める】、【医師が決める】、および【決定の先送り・決めない】の4パターンをとることが明らかになった。家族が、「(患者は)よい死だった」と語ったのは、【患者自身が決める】と【家族と医師の話し合いで決める】過程をとった場合のみであった。
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2002 日本生命倫理学会
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