生命倫理
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報告論文
提供卵子による生殖補助医療の経験における迷いと悩み
-Webアンケート調査結果より-
洪 賢秀小門 穂柘植 あづみ
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2023 年 33 巻 1 号 p. 79-92

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抄録

 日本では「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」(2020) が卵子提供や精子提供を伴う生殖補助医療で出生した子の親子関係のみを定めており、配偶子提供者の要件や生まれた子への提供者の情報開示などは規定していない。卵子提供を受けて子を持つ人は、どのようなことに迷い、悩み、何を選択しているのか。これらを理解するために、卵子提供を受けた経験がある、あるいは準備中の女性を対象に、2021年10月~2022年1月にWebアンケート調査を実施した。

 回答を得た33件のうち、卵子提供による生殖補助医療を経験した19件と、卵子提供による生殖補助医療の準備中である7件の計26件を有効回答とし、分析対象にした。小稿では、卵子提供に関連する迷い、悩み、不安に焦点を絞り、1) 卵子提供前、2) 卵子提供後、胚移植から出産まで、3) 子どもの乳幼児期、4) 子どもが会話を理解できるようになる時期に分けてその懸念事項について分析した。その結果、子が生まれる前は、子の受容など、生殖補助医療を受けている期間はその医療の成否やリスクについて、子が生まれてからは周囲との関係や事実の告知と親子関係等についての迷いや悩みが記されていた。以上から、出産育児の過程における悩みの変化とその原因の関係を考察し、必要な支援等を提言した。

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2023 日本生命倫理学会
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