抄録
日本乳腺甲状腺超音波医学会(JABTS)のバーチャルソノグラフィ研究班では,MRI によるNonmass enhancement(NME)に対しMRI-US 融合(フュージョン)技術を用いて,乳癌手術における断端決定の有用性を検討するFUSION 02試験を計画した.本試験は,フュージョンしたUS ガイド下に癌の進展が推定される断端にブレストマーカーを留置して部分切除を行い,断端陽性率や再切除率を検証するもので,当院では4例の症例を経験した.本試験は背臥位MRI を撮影し,この画像とUS をフュージョンして断端同定したが,4例とも断端陰性で予定通りの手術が可能であった.経験症例から得られる本法の有用性について述べたい.