抄録
乳房温存手術における切除断端陽性は局所再発のリスク因子であり,切除断端を陰性にすることが重要である.乳房MRI における区域性の造影効果を持つnon-mass enhancement(NME)は局在診断が困難な場合も多く,乳房温存手術時の断端陽性率,再手術率が高いことが知られている.近年,磁気ナビゲーションシステムを用いてMRI とUS を同期可能な超音波fusion 技術が乳癌画像診断に応用されている.植込み型病変識別マーカーを用いたNME の局在診断における超音波fusion 技術の有用性を検証するにあたり,多施設共同前向き臨床試験(FUSION 02)を立案し,実証した.本稿においてはFUSION 02の研究計画とデザインを中心に概説する.