日本クリティカルケア看護学会誌
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研究報告
クリティカルケア領域での鎮痛・鎮静管理における看護師の教育ニーズ
稲垣 範子稲垣 美紀
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2018 年 14 巻 p. 125-133

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抄録

本研究の目的は,重症患者の痛みや不穏な状態をアセスメントし,対応するなかで看護師が感じている教育ニーズを明らかにすることである.クリティカルケア領域で勤務する看護師8名を対象に半構成的面接調査を実施した.その結果,鎮痛・鎮静管理における教育ニーズは,【鎮痛・鎮静薬投与による全身状態への影響を理解した上での重症患者への投与の判断】【鎮痛・鎮静薬の作用・副作用や半減期などの実践的な知識】【痛み・不穏・せん妄スケールを用いた評価が適切か否かの確認】【重症患者の苦痛の理解と効果的な介入の検討】【不穏・せん妄状態にある重症患者への予防を含めた関わり方】【J-PADガイドラインなどの新しい知識の実践への適用】など9カテゴリーが抽出された.クリティカルケア看護師が,重症患者への鎮痛・鎮静薬投与に関わる判断力を高め,患者中心のケアにつなげるための鎮痛・鎮静管理に関する教育体制の整備の必要性が示唆された.

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© 2018 日本クリティカルケア看護学会
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