日本クリティカルケア看護学会誌
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総説
  • 益田 美津美, 石川 幸司, 中村 香代, 上澤 弘美, 西村 祐枝, 山口 庸子, 田戸 朝美
    原稿種別: 総説
    2022 年 18 巻 p. 61-75
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル オープンアクセス

     本研究の目的は,看護継続教育についての文献レビューを通してクリティカルケア看護領域における効果的な継続教育のあり方を検討することである.医学中央雑誌Web版を用いて,クリティカルケア看護領域における継続教育に関連した国内の文献を検索した結果から原著論文52件を分析対象とした.52文献を研究デザイン別に分類した結果,介入・評価研究が多く,介入方法では座学だけではなくシミュレーションも半数を占めていた.また52文献を内容別にみると『領域横断型トピック』『看護師の職務継続・スキルアップ』『クリティカルケア看護特有のトピック』『領域別看護』『クリティカルケア看護全般』に分類された.今後の継続教育のあり方を検討するうえでは教育目的に合致した方法を検討することも重要である.加えて,クリティカルケア看護に限定した教育のみならず,領域横断型のトピックなど幅広い内容の教育が必要であることが示唆された.

原著
  • 栗原 知己, 立野 淳子, 卯野木 健, 中田 諭, 田戸 朝美, 濱本 実也, 白坂 雅子, 北別府 孝輔
    原稿種別: 原著
    2022 年 18 巻 p. 92-100
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/12/22
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】人工呼吸器及び,体外式膜型人工肺(Veno-Venous Extracorporeal Membrane Oxygenation:VV-ECMO)管理を要する患者に対し看護を実践できる看護師に必要なコンピテンシーを明らかにすること.

    【方法】ICUで重症呼吸不全に対する人工呼吸管理やVV-ECMO管理中の看護に関して,施設内で教育的立場を担う看護師55人を対象に3ラウンドのデルファイを行った.

    【結果】デルファイラウンド全過程に参加した対象者は44名であり,女性23人(52.3%),集中治療室での看護経験年数の平均±SDは12.7±4.5年であった.合意が得られたコンピテンシーは,人工呼吸器コンピテンシー29項目,VV-ECMOコンピテンシー31項目であった.

    【結論】人工呼吸器やVV-ECMOを装着した患者への看護を実践できる看護師に必要なコンピテンシーを明らかにした.

  • 小﨑 麗奈, 中村 美鈴
    原稿種別: 原著
    2022 年 18 巻 p. 101-112
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/12/29
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】急性重症患者の終末期治療に対する代理意思決定支援の実践と影響する要因を明らかにし,今後の実践上の示唆を得る.

    【方法】仮説検証型デザインで,全国3次救急医療機関の救急・集中治療領域の看護師に対し,郵送質問票調査を行った.組織的な要因,看護師の特性,救急・集中治療領域の終末期治療における代理意思決定支援実践尺度を用いてデータ収集し,統計学的手法で分析した.

    【結果】質問票は689名(30.2%)より返送され,612名を対象とした.偏りのない姿勢と説明の確認に関する実践度が高く,上司や同僚からの知識の助言や精神的なサポートの頻度が実践に最も影響していた.

    【考察】対象者は,俯瞰的な視点で家族とかかわり,上司の承認や関係性にもとづく発達により柔軟に対応したと考える.実践の質向上には,人的資源の不足や代理意思決定支援に関する情報共有の充実に課題があり,解決に資格保有者の役割発揮が示唆された.

    【結論】実践には組織的な要因が影響し,仮説は立証された.質の向上には,資格保有者の役割発揮が示唆された.

研究報告
  • 井上 陽士, 田戸 朝美, 山勢 博彰
    原稿種別: 研究報告
    2022 年 18 巻 p. 8-17
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/05/24
    ジャーナル オープンアクセス

     本研究の目的は,クリティカルケア領域における終末期で看護師がどのように患者の代弁者としての役割を担い実践を行っているのか,患者の意思の推定にかかわる援助について明らかにすることとした.研究協力者26名に対して,半構造化面接法を実施し,Krippendorff の内容分析を行った.結果として,【本人から意思をくみ取る】【家族の語りを促す環境調整】【積極的な家族への情報収集】【看護師による推察】【チームによる情報収集】【推定的意思の受容】【患者と家族の意思を統合した意思決定支援】【終末期医療・ケアへの反映】の8個のカテゴリーが抽出された.クリティカルケア領域の看護師は,患者の推定的意思把握のために患者本人,家族,患者の周囲の医療者を含め幅広く情報収集を行っていた.そして得られた推定的意思を基に家族ケアを中心としたケア・医療に反映させていた.

  • ―ICUで人工呼吸器を装着していた患者に焦点を当てて―
    田中 郁恵
    原稿種別: 研究報告
    2022 年 18 巻 p. 33-42
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル オープンアクセス

     本研究はICUで人工呼吸器を装着していた患者が看護援助によって体験する心地よさについて明らかにすることを目的とした.ICUで人工呼吸器管理を受けた9名に半構造化面接を実施し,質的帰納的に分析した.その結果,看護援助による心地よさの体験は,〈人工呼吸器装着中の不快の和らぎ〉〈抜管直後の不快の和らぎ〉〈治療に伴う痛みの和らぎ〉〈身体の不自由さの和らぎ〉〈人工呼吸器離脱後の不眠からの解放〉〈全身麻酔後の時間感覚の回復〉〈長期臥床時の方向感覚の回復〉〈心身の活力の回復〉の8つが見出された.看護援助は,7つの援助が見出され,身体的ニードが満たされる援助と,看護師と患者が互いをわかろうとする援助に大別された.

  • 松本 亜矢子, 岡 未沙紀, 横川 千尋, 辻 千芽, 堀口 智美
    原稿種別: 研究報告
    2022 年 18 巻 p. 43-53
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル オープンアクセス

     本研究の目的は集中治療室(intensive care unit. 以下,ICU)で身体抑制の減少に取り組んだ看護師の思考のプロセスを明らかにすることである.A病院ICUにて身体抑制の減少に取り組んだ看護師15名を対象に半構成的面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づき分析した.その結果,ICUで身体抑制の減少に取り組んだ看護師の思考のプロセスは,ICUで身体抑制をなくすことを看護として意味づけていくプロセスとして,9個のカテゴリと4個の概念によって説明することができた.それは,【違和感を覚えながらも患者の生命の安全を守るために当たり前のようにしていた身体抑制】を起点として,取り組みをきっかけに,患者をそばで見守るなかで看護の視点を見出していった.そして,看護師はジレンマや困難感がありながらも,ケアの成果の実感を得てチームとして成長し,【身体抑制をなくすことを思考錯誤するなかで見出された最善の看護と充実感】に至るプロセスとして明らかとなった.

  • 藤野 智子, 河合 桃代, 清村 紀子
    原稿種別: 研究報告
    2022 年 18 巻 p. 18-32
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/05/24
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】急性・重症患者看護専門看護師(certified nurse specialist in critical care nursing;CCNS)のコンピテンシーを形成する要素と構造を明らかにする.

    【方法】無作為に抽出した関東圏内のCCNS 10名に半構造化面接をし,コンピテンシー・ディクショナリーを参考に分析した.

    【結果】コンピテンシー・ディクショナリーに示す,コンピテンシークラスターの尺度レベルの中央値と,抽出された尺度レベルの平均値の差を分析し,その差が大きいほど特徴的な要素と判断した.結果,『コアなコンピテンシー』に[雇用サービス重視]と[インパクト影響力],『サブ・コアなコンピテンシー』に[チームワークと協調]と[チームリーダー]のそれぞれ2要素を位置づけた.また,『コアなコンピテンシー』と『サブ・コアなコンピテンシー』を補完する『コンプリメントなコンピテンシー』の5要素と構造が明らかとなった.

    【結論】本研究で顕在化されたCCNSのコンピテンシーの要素と構造は,CCNSの教育や活動,自己分析の視点につながる可能性がある.

  • 立野 淳子, 山本 小奈実, 山勢 博彰, 藤本 理恵, 大野 美香, 岡林 志穂, 小島 朗, 芝田 里花, 中谷 美紀子, 福島 綾子, ...
    原稿種別: 研究報告
    2022 年 18 巻 p. 81-91
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/12/22
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】救急・集中治療領域におけるCOVID-19 終末期患者の家族面会の実態と看護師及び感染管理者の面会に対する意識を明らかにすること.

    【方法】救急・集中治療領域の看護師と感染管理を担う看護師を対象に,2021年6月~7月にWEBアンケート調査を実施した.

    【結果】救急・集中治療領域の看護師181名と感染管理者94名から回答を得た.COVID-19終末期患者の家族面会は,24施設(29.3%)が実施し,死亡宣告時の家族の立ち会いは,20施設(29.9%)で実施されていた.救急・集中治療領域の看護師と感染管理者の8 ~9割が家族面会と死亡宣告時の家族の立ち会を「行うべき」と意識していた.

    【考察】家族面会や死亡宣告時の家族の立ち会いの実施は低いものの看護師は面会の必要性を認識していた.今後のCOVID-19の流行に備え終末期の家族面会の判断基準や方法について組織で検討しておくことが重要である.

実践報告
  • 三木 珠美, 北村 健
    原稿種別: 実践報告
    2022 年 18 巻 p. 1-7
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/05/24
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】A病院では公的な病院救急車による患者搬送を開始し5年目となる.最近の搬送患者の特徴と乗務する看護師が抱えている問題を明らかにし,今後の教育支援について示唆を得ることである.

    【方法】搬送患者は電子カルテの情報から分析し,看護師の不明・不安内容と必要な教育についてはWebアンケートを実施し,単純集計と自由記載は質的記述的に分析した.

    【結果】年間の搬送件数は527件,80代が201件で最多であり,呼吸器疾患が89件,骨折が87件であった.乗務する看護師の不明・不安は51項目あり,在宅医療資器材の管理が8項目該当しもっとも多かった.自由記載から乗務の改善点は7つ,必要な教育は8つがカテゴリーとして抽出された.

    【考察】搬送患者の特徴に応じた知識や技術を身につけていくことや,問題としてあげられた51項目に対する改善と,看護師の役割の明確化と急変時のマニュアルの整備,在宅医療資器材の管理などの教育支援が必要であると考える.今後は,シミュレーション教育や症例検討会なども取り入れていきたい.

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