日本クリティカルケア看護学会誌
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最新号
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原著
  • 植田 敦子, 佐藤 隆平, 江川 幸二
    原稿種別: 原著
    2025 年21 巻 p. 13-23
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/13
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】Intensive care unit[ICU]・High care unit[HCU]の看護師におけるスピリチュアルケアの実態とその関連要因を明らかにする.

    【方法】横断研究としてICU・HCUのスタッフ看護師に対しオンライン調査を行った.スピリチュアルケアの実態はNurses’ spiritual care practices[NSCP]を用い測定した.単変量解析後,NSCP総得点を従属変数,個人・環境要因を独立変数とする重回帰分析を行った.

    【結果】有効回答率32.2%,NSCP総得点の平均は25.5であった.NSCP総得点に対し,道徳的感受性,スピリチュアリティ,部署の雰囲気・体制が関連を認めた.

    【結論】本研究は,ICU・HCUの各看護師のスピリチュアルケアを促すため,個の道徳的感受性とスピリチュアリティを高め,部署の雰囲気・体制を構築することの重要性を示唆した.

  • 中村 美鈴, 明石 惠子, 宇都宮 明美, 吉田 紀子, 丸谷 幸子, 阿久津 美代, 茂呂 悦子, 松沼 早苗
    原稿種別: 原著
    2025 年21 巻 p. 24-39
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/09/10
    ジャーナル オープンアクセス

    目的:急性・重症患者の回復を促す看護実践モデルを構築する.

    方法:先行研究から見出したサブカテゴリを基に質問項目を作成しWebアンケートを実施した.有効回収数262名を分析対象とした.因子分析により構成概念を生成し,理論統合の手法を参考にして,モデルを構築した.

    結果:回復を促すための思考は,《患者の現状認知状況を見極める》,《身体的安定性と治療プロセスの進捗状況を査定する》などを含む構成概念であった.回復を促す実践は,《患者の主体性をケアに活かす》,《患者のリスクを最小限に留めるように介入する》などを含む構成概念であった.回復を促進する要因は,《患者を中心とした医療者・家族の体制》,《患者の心身の改善》,阻害する要因は,《患者の心身の不安定さ》,《患者中心ではない状況》などを含む構成概念であった.

    結論:生成した構成概念からモデルを吟味・構築できた.実臨床での検証が今後の課題である.

研究報告
  • 石川 幸司, 作田 麻由美, 堀 友紀子, 河原崎 麻美, 寺地 沙緒里, 藤野 智子
    原稿種別: 研究報告
    2025 年21 巻 p. 40-47
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/12/06
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究の目的は被災経験を有するICUにおける災害時対応の実態を明らかにすることである.被災経験を有する施設を対象とした.調査期間は2024年11~12月で,調査項目は施設の属性,実際の対応内容,抽出された課題,体制整備に関する内容とした.回答は20施設から得て,19施設を分析対象とした.ICUが平時の機能を維持できていたのは9施設(47.4%)であった.被災時にICUの対応として活用したのは,院内災害マニュアル17施設(89.5%),アクションカード4施設(21.1%).抽出された課題は,活動指針の整備17施設(89.5%),被災後に整備した体制は災害マニュアル8施設(42.1%)が最も多かった.多くのICUでは院内災害マニュアルをもとに活動しており,ICUに特化したマニュアルを準備・活用している施設は少なかった.平時から有事に備えたICU独自の活動準備が重要である.

  • 山田 親代, 吉岡 さおり, 室田 昌子, 森本 昌史
    原稿種別: 研究報告
    2025 年21 巻 p. 48-59
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/12/27
    ジャーナル オープンアクセス

    開胸手術後の患者のQOLがどのように変化しているのか,またその変化にせん妄はどのように影響しているのかを明らかにする.2019年9月~2022年6月に開胸手術を受けた患者に入院時,退院時,術後6か月後,術後12か月後のSF-36を用いた調査をした.二元配置分散分析の結果,サマリースコアは「役割・社会的側面」に,下位尺度では,「日常役割機能・身体」,「体の痛み」,「日常役割機能・精神」において,時期とせん妄の有無との間に交互作用があり,せん妄を発症した患者のQOLは,発症しなかった患者に比べ緩徐な改善であったことが認められた.また,せん妄の有無の主効果でも6か月後で同じ尺度に,12か月後で「日常役割機能・身体」,「体の痛み」に有意差を認めた.社会生活の再構築の困難さにおいて,せん妄と時期が影響していたことが示唆された.このことからせん妄の予防は重要であり,退院後も継続的な介入が必要である.

  • 宮下 建人, 村中 沙織, 中川 裕一, 大和 美幸
    原稿種別: 研究報告
    2025 年21 巻 p. 60-70
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/12/27
    ジャーナル オープンアクセス

    目的:ECMO Transportに従事する看護師が直面した困難を明らかにする.

    方法:ECMO Transportを実施しているAセンターに勤務し,ECMO Transport派遣を経験した看護師7名に対して半構造化的面接を実施し,質的記述的に分析した.

    結果:ECMO Transportに従事する看護師が直面した困難は,105コードが抽出された.そこから,36のサブカテゴリーと,【搬送中のECMO CAR内の環境に合わせた看護ケアの難しさ】【派遣先病院の看護師との連携・調整の難しさ】【ECMO Transport中のトラブル対応への不安】などの7カテゴリーが導き出された.

    結論:ECMO Transportに従事する看護師が直面した困難は,病院外での重症患者への看護実践,多職種連携と派遣先病院との調整,搬送の安全の保証に関わる内容であることが明らかとなった.

短報
  • -質問項目の内容妥当性・信頼性の検討-
    松田 麗子, 明石 惠子
    原稿種別: 短報
    2025 年21 巻 p. 7-12
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/13
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】日本の現状に即したクリティカルケア看護師のMoral Distress尺度(Moral Distress Scale for Critical Care Nurses in Japan;MDS-CCNJ)開発の前段階として,ver.1の妥当性・信頼性を検討しver.2を作成する.

    【方法】クリティカルケア看護師の倫理的問題に関する先行研究とMoral Distress体験の面接調査を基にMDS-CCNJのdraftを構築し,内容妥当性検討を通して37項目のver.1を作成した.これを用いて245名のクリティカルケア看護師にweb質問紙調査を行い,妥当性(項目分析・探索的因子分析)と信頼性を検討した.

    【結果】有効回答は88名であった.項目分析で15項目,探索的因子分析で因子負荷量0.35未満の3項目を削除し3因子19項目を抽出した.Cronbachα係数は0.86~0.94であった.

    【結論】19項目のMDS-CCNJ(ver.2)の妥当性・信頼性が確認できた.

その他
  • 伊東 由康, 植村 桜, 山田 奈津子, 五十嵐 真, 岡田 和之, 花山 昌浩, 古厩 智美, 古賀 雄二
    原稿種別: その他
    2025 年21 巻 p. 1-6
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/15
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究の目的は,日本クリティカルケア看護学会せん妄ケア委員会より2020年に公開された「せん妄ケアリスト」を導入した臨床現場において,導入の目的や方法,導入による効果や課題をどのように看護師が認識しているかを明らかにすることであった.せん妄ケアリストを導入した臨床現場の看護師計8名を対象に半構造化面接を実施し,質的帰納的に分析した.分析の結果,18カテゴリーが抽出され,せん妄ケアリストの導入目的として【せん妄ケアの妥当性の検討】,導入方法として【臨床課題に応じた内容を部分的・段階的に導入】することなどが認識されていた.そして,せん妄ケアリストの導入によって,【日常生活支援が具体化・促進された】こと,【看護ケアの価値の再認識と促進につながった】ことが認識されており,日常生活を支援するという看護ケアの促進に繋がることが期待されていると考える.

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