抄録
目的:生活習慣改善が必要性な勤労者を対象にウェブサイトを用いた保健指導プログラムを実施し,介入度の違いによる効果を検討した.方法:研究対象は健診を受けた男性勤労者17人で,介入群に6人,対照群Aに6人,対照群Bに5人を無作為に割りつけた.保健指導期間は24週間で,開始から12週目,24週目に検査と生活習慣等に関する調査を受けてもらった.ウェブサイトの内容は,生活習慣に関する情報,自己観察日記,掲示板を設けた.開始時に保健師が個別面接指導を行い,改善目標を設定してもらった.介入群には日記内容に対して最初の12週間に4回,ウェブ上で個別指導・助言を送付した.対照群Aにはウェブサイトを利用してもらったが個別指導・助言は送付しなかった.対照群Bにはウェブ上の情報のみを提供した.評価指標は健診検査値,生活習慣,自己効力感,ウェブサイトの利用状況とした.結果:開始から24週間後,介入群では体重,BMI,LDL-コレステロール,ALTが有意に減少した.対照群Aでは有意に改善した検査値はなく,対照群BでLDL-コレステロールが有意に改善した.考察:介入群では検査値が有意に改善したが,介入群と同様のウェブサイトの内容を提供した対照群Aでは有意な改善はみられなかったことから,ウェブ上からの個別指導・助言には効果がある可能性が示唆された.