目的:本研究の目的は,保健師を対象としたリフレクションに基づく生活習慣病予防のための保健指導技術向上プログラムの介入効果を検討することである.方法:本プログラムは3か月間に4日間である.アウトカム評価では,保健指導技術の変化を対照群と比較した.保健指導技術は,参加者が模擬患者と保健指導を行い,終了後に双方が評価指標に沿って評価した.アウトカム評価はベースラインと直後,3か月後に実施した.また,プロセス評価では,リフレクション過程で生じた介入群の変化を明らかにした.結果:介入群と対照群は各11人であり,基本属性に有意差はみられなかった.多元配置分散分析の結果,介入群の自己評価では2項目が対照群より有意に低く,他者評価では有意差はみられなかった.内容分析の結果,介入群は自己の課題を自覚し,改善策を模索しながら,専門職として学び続ける意欲を高めていたが,学んだことを実践で生かすむずかしさを実感していた.考察:プロセス評価の結果より,介入群はリフレクションを促進していることが明らかになった.しかし,介入群は,対照群と比較して保健指導技術の向上はみられず,本プログラムの効果は認められなかった.