日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
ネグレクト家庭の不登校児童に関する小学校教諭の支援の経験
牧野 忍巽 あさみ大塚 敏子
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2015 年 17 巻 3 号 p. 60-69

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抄録
目的:ネグレクト家庭の不登校児童に対する小学校教諭の支援の経験を明らかにする.方法:ネグレクト家庭の不登校児童への支援を行った経験のある小学校教諭13人を対象に半構造化面接を実施した.研究方法は舟島なをみによる看護概念創出法を用いた.結果:ネグレクト家庭の不登校児童に対する小学校教諭の支援の経験を示す414のコードが抽出され,7コアカテゴリー,すなわち【児童にとって学校が楽しみとなる工夫】【担任を中心とした学校全体および地域支援者の共同体による支援】【保護者の養育力を強化するかかわり】【顕在化する児童の問題への対応困難】【タイムリーな支援ができない困難】【学校の機能として親にかかわることの限界】【保護者への強力な介入が可能な権限や仕組み】の7つの概念が抽出された.考察:小学校教諭は,ネグレクト家庭の不登校児が登校できるようになる目標達成の視点から,学校の業務の範囲を超え支援しているものの,ネグレクト家庭の保護者にみられる特性やネグレクトを背景に二次的に形成された児童の問題への対応に苦慮し,学校内外の共同体としての支援を求めていることが明らかになった.
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© 2015 一般社団法人 日本地域看護学会
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