日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
原著
中山間農村地域のひとり暮らし男性高齢者と地域との関係性における経験の意味
細木 千穂白谷 佳恵田髙 悦子伊藤 絵梨子有本 梓
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2019 年 22 巻 2 号 p. 6-14

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抄録

目的:中山間農村地域のひとり暮らし男性高齢者と地域との関係性における経験の意味を記述し,今後の中山間農村地域のひとり暮らし男性高齢者における社会的孤立予防を主眼とした地域づくりのあり方に関する示唆を得ることである.

方法:研究協力者は,秋田県A市に在住する65歳以上のひとり暮らし男性高齢者6人,保健医療福祉の専門職等9人の計15人である.方法は質的記述的研究であり,半構造化面接によりデータを収集し,質的に分析した.本研究は横浜市立大学医学研究倫理委員会の承認を得て実施した.

結果:中山間農村地域のひとり暮らし男性高齢者と地域との関係性における経験の意味として【地域でつくられてきた男性性】【自他の境界を引くよりどころ】【終の住処にする覚悟】【先細る地縁・血縁の継承】【あらがえない自然と衰退していく集落の受容】の5つのカテゴリーが見いだされた.

考察:中山間農村地域のひとり暮らし男性高齢者における社会的孤立予防を主眼とした地域づくりのあり方においては,ひとり暮らし男性高齢者による地域の「人」や「場」への関与ならびに「人」や「場」から受ける影響を踏まえ,高齢者個人を地域づくりの受け手だけでなく担い手としてもとらえ,活動の機会を創出するとともに,高齢者を取り巻く家族,近隣や集落,地域全体における社会的孤立予防に向けた価値観や文化の変容を促すことが重要である.

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© 2019 一般社団法人 日本地域看護学会
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