2025 年 28 巻 3 号 p. 4-11
目的:こころの健康に関連する要因のひとつとされる青年期における自我同一性の感覚と,愛着スタイルとの関連を明らかにする.
方法:18~22歳までの学生を対象に,多次元自我同一性尺度(MEIS),一般他者を想定した愛着スタイル尺度(ECR-GO)を用いた無記名自記式質問紙調査を実施し,648人を分析対象とした(有効回答率87.9%).
結果:分析対象は,男性232人,女性416人,平均年齢は18.96±0.96歳であった.重回帰分析の結果,MEISのすべての下位尺度および総得点にECR-GOの「見捨てられ不安」「親密性の回避」が関連していた.「自己斉一性・連続性」(β=-.521,p<.001),「対自的同一性」(β=-.355,p<.001),「心理社会的同一性」(β=-.452,p<.001),「MEIS総得点」(β=-.502,p<.001)には「見捨てられ不安」が,「対他的同一性」(β=-.376,p<.001)には「親密性の回避」がもっとも強い関連を示した.
考察:自我同一性の確立を支援するためには,ネガティブな自己観および他者観といった愛着スタイルに着目することが重要である可能性が示された.