2007 年 11 巻 1 号 p. 23-32
鳥取大学では,2001年度入学生よりメディア・リテラシ教育の改革に取り組み,現在本学の教育理念として「知と実践の融合」を掲げ教育改革の推進を行なっている.教育は,学習者である学生と教授者である教員との相互作用のうえに成り立つものであり,より良い教育の実践には教材コンテンツ開発と教育・学習環境に対するインフラ整備が必要である.また本学では,2003年度より学生に対してPC必携を行っており,主に全学共通教育科目の「語学教育」や「情報リテラシ」の講義に活用している.それに伴って教育系ネットワークの整備を行うと共に,必携PCの学部専門教育への活用の推進を図っている段階である.本論文では,本学の2001年度から2006年度に至るメディア・リテラシ教育における教員の授業運営活動(計画/実践/評価)並びに学習者の受講学習活動を通して,教材コンテンツの学習内容の検討課題と問題点,教育・学習環境整備など明らかにしている.また本学総合メディア基盤センター(Information Media Center)で2005年度よりe-Learningシステムの運用開始,2006年度よりe-Learning相談窓口の開設など教育支援への取り組み状況を示し,全学規模のメディア・リテラシ教育実践への支援について検討する.