本稿では,全国に点在する通信制高校生を対象にした学習者参加型遠隔分散データサイエンス教育システムの試作と評価を行い,その結果を報告する.NHK学園高等学校と日本工業大学は共同で生徒自らが環境センサーを用いてデータ収集し,そのビッグデータを全国の学習者間で活用・分析できるシステムを構築した.
構築したシステムは,環境データ収集端末,データ集積システム,情報サイトの3つから構成され,生徒は自宅に設置した環境データ収集端末で収集した気圧,温度,湿度などのデータを探究課題などに自由に利用できる.実際にシステムを使った約半年間の教育実践を行い,環境データ収集端末を国内57拠点(累計68個),海外1拠点に配置すると共に,データ集積システムを運用することにより2024年7月から2025年3月にかけて1億件超のビッグデータを構築することができた.また,生徒は自由なテーマ設定のもとデータ分析・可視化を行い,探究学習を行うことができた.アンケートでは多くの生徒がデータサイエンスの初歩を学べたことを実感し,学習活動の主体性や新たな興味喚起にも寄与した.さらに,学習者間交流の促進の必要性など,次年度に向けた課題についても明らかになった.
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