学術情報処理研究
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Print ISSN : 1343-2915
原著論文
キャンパスネットワークにおけるWinny検知手法のFPGA実装
佐藤 友暁伊丸岡 修哉深瀬 政秋
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2008 年 12 巻 1 号 p. 68-74

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抄録

キャンパスネットワークにおけるWinnyの利用は,ネットワークの帯域を消費し,研究,教育,業務に支障をきたすだけでなく,情報漏えいや著作権侵害といった問題を引き起こす.Winny利用への対策として,ネットワーク機器で全パケットをシグネチャマッチングによってアプリケーションを特定し,ファイル交換ソフトウエアのパケットを停止させる方法が有効である.しかしWinnyはパケットペイロードが暗号化されており,ネットワーク機器において暗号化パケットペイロードをエンコードすることは,通信の秘密の侵害になる.さらに,キャンパスネットワークで使用されている1Gbps以上の高速な回線に適用可能なネットワーク機器おいて,暗号化パケットペイロードのエンコード機能は,処理能力上実装されていない.本論文では,ネットワークカードにおいて,暗号化パケットペイロードをエンコードし,パケットのシグネチャマッチングによってWinnyの利用を検知する手法をFPGA(Field Programmable Gate Array)に実装する.その実装された検知機能の低消費電力化のために,ウェーブパイプライン動作ファイアウォールユニットと連動させる.ゲートレベルシミュレーションの結果,ギガビットイーサネットに対応可能であることを明らかにする.

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© 2008 学術情報処理研究編集委員会
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