2012 年 16 巻 1 号 p. 25-32
東日本大震災において,茨城大学では人的な被害やICT機器自体には大きな被害が無かったものの,停電と建物内立ち入り禁止が長時間に渡り続いた.同規模の地震への対策を考える時、今回の震災でも懸念された建物倒壊という事態を想定しておく必要がある.本学では分散キャンパス構成になっているため,一つのキャンパスにおいて建物倒壊が起こったとしても,他のキャンパスの建物も同時に倒壊する可能性は低いと考えられる.そこで一般には通信・運営コストの面で不利な分散キャンパスという立地を逆手にとって,ファイルシステムのバックアップをほぼリアルタイムで他キャンパス相互に配置する分散バックアップシステムを設計・構築し,その評価を行った.