2013 年 17 巻 1 号 p. 67-76
熊本大学の全学対象情報教育科目「情報基礎」では,出席確認のため学生自身がLMS上で出席登録を行う方式を採用している.しかしながら,演習室端末本体のトラブルやWebブラウザの動作不良のために受付終了時間までに出席登録が完了しないケースがあるだけでなく,演習に集中していたために出席登録を忘れてしまったという学生の声が毎学期寄せられていた.その一方,情報セキュリティ向上の一環として2012年度より学生証が磁気カードからICカード(FCFキャンパスカード)に切り替えられることになった.これを機に市販のICカードリーダとAndroidタブレット端末を組み合わせた出席登録用ICカードリーダーの実現可能性を検討した結果,普及価格帯の市販製品とオープン技術の組み合わせによるICカードリーダの実装に成功した.本論文では市販機材を用いたICカードリーダーの実現方法,LMSとの連携による出席管理の実現方法,情報教育科目におけるICカードリーダーの運用結果について述べる.