2019 年 23 巻 1 号 p. 1-8
多くの大学では情報処理演習システムの一部として印刷環境を提供しており,学生のレポート作成等に供している.どのような印刷環境を提供するかは大学の方針により様々であるが,教育的観点から枚数制限や課金を行う大学が増えつつある.茨城大学では教育用電子計算機システムの一部として印刷環境を提供しており,学生はIT基盤センターが管理するPCから印刷できる.2011年度までは枚数制限もなく無料で印刷できたが,2012年度から印刷枚数制限を課すようになり,2017年度には完全従量課金制へと移行した.当センターでは,印刷状況を把握するために2010年10月から詳細な印刷履歴を記録しており,年度単位で揃ったものとしては2011年度から2018年度までの8年にわたるデータを収集した.本論文では印刷履歴のデータ等に基づいて,印刷環境の変化に伴って学生の印刷行動がどのように変化したのか考察する.