2019 年 23 巻 1 号 p. 17-28
豊橋技術科学大学は,キャンパスネットワークの更新を2018年夏に実施した.新キャンパスネットワークTUTNET2018は,有線ネットワーク,無線ネットワーク,全学ファイアウォールおよび管理システムからなり,本学における教育・研究活動の基盤となるシステムである.本論文では,最初に,前キャンパスネットワークTUTNET2010の運用中に判明した問題点について議論する.次に,その問題点を踏まえて設計されたTUTNET2018の設計方針とシステム構成について述べる. TUTNET2018では特に,耐障害性の向上とセキュリティインシデント発生時の利用者端末および通信内容の特定に重点が置かれている.最後に,TUTNET2018の構築からこれまで約1年間の運用状況を報告する.